人事管理の視点における「個人情報保護法」

发布于 2021-09-04 08:31

中国の「民法典」は、個人のプライバシー及び個人情報が法律の保護を受ける原則を確立した。「民法典」第1034条第2項は、個人情報について下記の定義を行っている。

「個人情報は、電子又はその他の方式により記録され、単独で又はその他の情報と結び付けて特定の自然人を識別可能な各種情報である。自然人の氏名、生年月日、身分証番号、生体識別情報、住所、電話番号、電子メール、健康情報、行動履歴情報等が含まれる。」。

2021年8月20日、「中華人民共和国個人情報保護法」(以下「個人情報保護法」という)が正式に公布され、2021年11月1日より発効、実施される。「個人情報保護法」は計八章七十四条に分かれており、内容が非常に充実している。

以下の本文で、企業が比較的注目している人事管理の視点から「個人情報保護法」の内容及び企業にご注意いただく必要のある個人情報保護の要点について紹介を行う。

1. 労働人事関係により

取得した従業員の個人情報

について、従業員個人の

同意を得る必要はない

実務においては、使用者は主に、新たに入職した従業員に入職履歴情報表等を記入してもらうことによって従業員の個人情報を取得する。

下記の規定によれば、使用者は従業員の同意を別途得なくてもよいものの、使用者も「個人情報保護法」が確定している適法、正当、必要、信義誠実という原則の個人情報保護原則を遵守する必要がある。

「個人情報保護法」

第十三条 次に掲げる情況の一つに適合する場合、個人情報取扱者は個人情報を取り扱うことができる。

(一)個人の同意を得た場合。

(二)個人を一方の当事者とする契約の締結、履行に必要である場合、又は法に依り制定した労働規則制度及び法に依り締結した集団契約に基づき人的資源管理を実施するのに必要である場合。

(三)法定職責又は法定義務の履行に必要である場合。

(四)突発的な公衆衛生事件に対応するため、又は緊急情況下で自然人の生命健康及び財産安全の保護のために必要である場合。

(五)公共利益のためにニュース報道、世論監督等の行為を実施し、適正な範囲内で個人情報を取り扱う場合。

(六)本法規定に基づき適正な範囲内で、個人が自ら公開し又はその他既に適法に公開している個人情報を取り扱う場合。

(七)法律、行政法規の規定するその他の情況。

本法のその他関連規定に基づき個人情報を取り扱う場合、個人の同意を得なければならない。但し、前項第二号乃至第七号所定の情況がある場合、個人の同意を得る必要はない。

2. 使用者が従業員の敏感な

個人情報を取得する場合、

単独の同意が必要か?

上述の規定はあるものの、「個人情報保護法」は更に、敏感な個人情報の取り扱い規則についても専門の規定を行っている。

「個人情報保護法」第28条によれば、個人の敏感な情報には、「生体認証、宗教の信仰、特定の身分、医療健康、金融口座、行動履歴等の情報が含まれる。」と規定している。

その上、第29条は、「敏感な個人情報を取り扱う場合は、個人の単独の同意を取得しなければならず、法律、行政法規で敏感な個人情報の取り扱いについて書面の同意を得なければならないと規定している場合、その規定に従う。」と規定している。

使用者が、新たに入職した従業員の個人情報を収集する時、往々にして従業員に対し入職時健康診断報告、賃金支給の銀行口座等を提供するよう求める。当該部分の情報は、上述の規定に基づくと、従業員の敏感な個人情報に該当する。

「個人情報保護法」は、使用者に対して、人事管理の必要により敏感な個人情報を収集する時に従業員の単独の同意を得る必要があるとはなお明確には規定していない。

但し、個人情報保護のコンプライアンス観点、及び個人情報保護の将来的な発展の趨勢から見て、使用者には、従業員の敏感な個人情報を収集する時に、従業員が事前に書面の同意文書(例えば、従業員に「従業員個人情報許可書」を署名させたもの)を単独で提出することをご提案する。

3. 使用者の勤務場所での

監視についての

コンプライアンス要求

「個人情報保護法」第26条によれば、「公共の場所に画像収集の機器、個人の身分を識別する機器を取り付ける場合、公共の安全を守るために必要であり、国の関連規定を遵守しかつ目立つ標識を表示しなければならない。収集した個人の画像、身分識別情報は、公共の安全を守る目的に用いることしかできず、個人の単独の同意を得た場合を除きその他の目的に用いてはならない。」と規定している。

即ち、使用者は日常の運営管理において、監督管理の必要から従業員の行為に対し監視を行う可能性があり、当該監視行為は通常、上述の規定の「公共の安全を守るために必要」であるとの法定目的には適合しない。

よって、使用者が勤務場所で監視措置をどのように講じるかについては、例えば、Webカメラを通じて従業員の映像を取得し、タイムレコーダーにより従業員の指紋を採集し、又はアプリの位置決め情報機能により従業員の位置情報等(この類の情報はしばしば従業員の行動履歴、生体識別情報等の敏感な情報に関わる)を収集する場合、コンプライアンスの目的のために、使用者には次をご提案する。

(1)上述の監視措置、及びその収集する従業員の個人情報が正当な目的を備えることを保証し、かつ、企業の経営の必要(例えば、非外勤人員に対しては、位置情報を収集する必要はない)のために、勤務時間以外、勤務場所以外で従業員のいずれかの情報を取集することは防止しなければならない(例えば、更衣室、休憩室等の場所には監視カメラを取り付けてはならず、勤務時間の後に、関連する従業員の位置情報を引き続き収集してはならない)。

(2)収集した情報の種類、目的、収集方式及び保護措置等についても、書面の形式により従業員に事前に告知し、従業員の監視措置に対する承認を得て、更には、従業員の書面の同意文書を取得することをご提案する。

4. 法律に違反して個人情報を

取り扱った場合の法的責任

「個人情報保護法」第66条及び第71条の規定によれば、法律に違反して個人情報を取り扱った場合、関連する政府部門は是正を命じ、警告を与え、違法所得を没収することができる。是正を拒否する場合、百万元以下の罰金を併科し、直接責任を負う主管人員及びその他直接の責任者に対して一万元以上十万元以下の罰金を科す。治安管理に反する行為に当たる場合、法に依り治安管理処罰を与え、犯罪に当たる場合、法に依り刑事責任を追及する。

そのほか、「個人情報保護法」第69条の規定によれば、個人情報の取り扱いが、個人情報の権益を損ない、損害をもたらした場合、更に賠償責任を負わなければならない。

使用者は、従業員の個人情報保護方面において、上述に挙げた要点について注意する必要がある以外に、更に、例えば従業員に対し経歴調査を行う、人事代行会社に賃金支給、社会保険納付を委託する、国外の親会社に現地会社の従業員情報を提供する等についても、「個人情報保護法」関連のコンプライアンス要求を遵守するよう留意されることをご提案する。

本公式アカウント文章では、別途、専門の文章により紹介する予定であり、引き続きフォローしていただければ幸いである。

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執筆者

戴 暁龍

シニア・パートナー弁護士

専門分野:

投資融資プロジェクト、会社M&A、企業再編・撤退、工場移転、人員削減、労務管理、債権管理・回収、商事訴訟/仲裁

E メール:

 xiaolong.dai@dentons.cn

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専門分野:

外商投資、会社M&A、企業コンプライアンス、債権管理・回収、商事訴訟

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